こんにちは!
車いすカウンセラー、前田真規です。

全国的に大寒波による積雪がありますが、皆さんのところは大丈夫ですか?

雪は、部屋の中から眺めてる分には綺麗でいいけど、お出かけするには厄介だし危険ですね。

まだしばらく氷点下の気温が続くそうなので、お互い、体調管理とお出かけの際の安全には気をつけましょう。

 

 

さて、前回の記事は読んでいただけましたか?

 

4歳の身体障害をもつ子のお母さんから、学校選びについて質問をいただきましたので、私の経験を書かせていただきました。

 

今回は、普通学校(学級)と特別支援学校の、それぞれのメリット・デメリットについて書いてみたいと思います。

 

前回の記事でも書きましたが、結論から言うと、私は小学校から短大まで、普通学校に通いました。

 

その間(14年)の体の状態は

 

・地べたから自分で立ち上がれない。
転ぶと、誰か通りかかるまで立てなくてそのまま。
体育館や運動場で集合して、地面に座って話を聞く時なども、前後に座ってる友達に立たせてもらってた。
または、みんなは座ってるけど、私だけ立ちっぱなしで話を聞いていた。

 

・階段の昇り降りが大変。
給食の配膳車を運ぶ業務用エレベーターを使っていいと許可をもらっていたが、それだと遠回りになるため、よっぽどのことがない限り使わず、友達に荷物を持ってもらって、手すりに掴まって自力で昇ってました。

 

2年生、3年生の時は、私のクラスだけ1階にしてもらってたものの、授業によっては2階や3階にある美術室や音楽室、家庭科室、視聴覚室などに移動し、10分の放課(休憩?) で階段を降りてクラスに戻り、体操服に着替えて運動場に出る、なんてこともよくありました。

 

手すりに掴まり、一歩一歩ゆっくり昇っていくので、遅いのなんのって。
段の昇り方は、筋ジスやミオパチーの特徴でもある、片手で膝を押して、片手は手すりに掴まる格好で。

 

荷物を持って私に付き合ってくれる友達と一緒に、授業に遅れることもしょっちゅうあったけど、先生も友達も何も言いませんでした。
今思い出すと、涙が出るくらい有り難かった。

 

歩きの遠足の時は、脳性麻痺の男の子(内股で足を引きずって歩く)や、知的障害の子と、保健の先生に車で乗せてもらっていました。

 

他にも色々ありますが、書くと長くなるので、気になることがあったら公式LINEで質問して下さい。

 

上記のような体の状態で、小学校から短大まで合計14年間通った私が思う、普通学校(学級)のメリット・デメリットは…。

 

メリット

・自分たちとは違う、体が不自由な子が通っていることで、他の子たちや先生方、近所の人たちの目に留まり、否が応でも意識したり気づきを与えたりする。
障害のない人たちの関わりが多い。
実際、私のことで朝の会や帰りの会で話し合いを持ってくれたこともありました。

 

・勉強や運動に重点をおいている。
体育やスポーツ大会などは、嫌で嫌で仕方なかったけど、特別支援学校では学べないことを学べる。
できる、できないは別として、クラブや部活の種類が多い。

 

・世の中の理不尽さ、社会の厳しさを早いうちから経験できる。

 

デメリット

・段差の解消やエレベーター、トイレなど設備や環境が整っていない。
私は当時歩けていたので、友達や先生に手を貸してもらってなんとかなりましたが、車いすに乗ってる子だと、学校側の環境整備が必須です。

 

・いじめられたりからかわれたりすることがある。
高校生ともなるとそんなことは少ないけど、小中学校くらいの年齢の子どもは、ズケズケと心無いことを言ったり、中にはいじめてくる子もいる。

 

私はいじめられたことはありませんが、小中学校の時に、男子に歩き方を真似されたり、指が開かないために「いただきます」ができず、グーでいただきますをやってたことを からかわれたことがありました。

 

・集団行動についていくのが大変。
殆どの事において、障害のある子を優先してくれるわけではないので、集団行動についていくのが大変。
これは14年間の学生生活で一番感じたことです。
尾崎豊じゃないけど、
♪早く大人に〜 なり〜たかった〜♪

 

・授業を受けるに当たり、特別な配慮(席の工夫やノートテイクなど)が必要だったり、医療的ケアが必要な場合、そのための人員が必要。

 

逆に、特別支援学校のメリットとデメリットは…。
私は通ったことがないので、実際に行ってた子や親御さんに聞いたことを基に書いています。

 

【メリット】

・段差解消、エレベーター、トイレなどの環境、設備が整っている。

 

・周りも何らかの障害をもつ子なので、引け目を感じることがない。(親御さんも同じ)

 

・その子その子の障害に合った、作業療法的なこと、理学療法的なことをしてくれる、指導がある。

 

・普通学校より、障害をもつ子に対してきめ細やかな対応ができる人員配置になっている。

 

【デメリット】

・周りが同じように障害をもつ子たち、理解者に囲まれているため、世の中の理不尽さ、社会の厳しさを経験することが少なく、いざ社会に出た時に打撃を受けることがある。

ある障害をもつ子のお母さんが、「うちの子はぬくぬくの環境の中にいるから、”井の中の蛙”になってる」と言ってたことがありました。

 

・一人一人の身体機能の向上や、能力を伸ばすことに重点を置いているため、勉強ができる子にとっては授業が物足りなく感じることがある。

 

・特別支援学校のほうが圧倒的に数が少なく、近くにない場合は 近隣の市区町村まで行くことになり、時間と労力がかかる。

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主に、自分が経験したこと、見たり聞いたりしたことを基に書きましたが、他にも色々あるかも知れません。

 

普通学校(学級)と特別支援学級、それぞれにメリット・デメリットがあり、書きながら思ったのですが、やっぱり親御さんが早めにこういう情報を仕入れて、お子さんの希望を聞いた上で、学校側と交渉することになると思います。

 

インクルーシブ教育といって、障害のある子もない子も共に学ぶ「共生教育」を目指そうと、国や地域も動き始めていますが、現実的には、今はまだまだといったところです。

 

ただ、インクルーシブ教育が理想であることには違いないので、今後少しずつ少しずつ、その方向に向かっていく、整備されていくと思われます。

 

特別支援学校に通ってた子が、途中から普通学校(学級)に変わることは難しいけど、普通学校から特別支援学校に変わるケースはよくあるので、普通学校(学級)に行きたい、行けそうと思ったら、まず普通学校で学んでみて、やっぱり心身ともにハードだと思ったら、特別支援学校に転校するという手もあると思います。

 

また何か気づいたことがあったら記事にしますし、それは違うよってご指摘があればご意見下さい。

 

今回、記事の中で、普通学校(学級)と書かせていただきましたが、なんかしっくりこないなぁと思いつつ、他に適切な言葉がなかったので、このように表記しましたことをご了承下さい。

 

長文をお読み下さり ありがとうございました。