これまで3回に渡って、障害者の身内からの身体的な虐待、心理的な虐待、金銭的な虐待を、事例を上げて書いてきました。
今回は、このような障害者への虐待について、本人や周りの人にできることを書いていきたいと思います。
本人が、虐待されていると認識している場合。
自分が、虐待を受けていると認識している場合です。
また、これって虐待なんじゃない!?って自分で思っている場合も。
この場合、世話になってる身内、施設だから、雇ってもらっている職場だからといった理由で言い出しにくいという難しさがあります。
虐待だと感じていても、世話になってるという負い目から、誰にも言えずに一人で辛い思いを抱えていることが多いから。
どれだけ辛くても、誰かに相談することがどうしてもできない人もいるかも知れません。
でも、身体的な虐待は、最悪な場合 取り返しがつかない事態になることもあるし、心理的な虐待や金銭的な虐待は、精神的な苦痛がとても大きい。
身の危険を感じたり、このままだと精神をやられてしまうと意識した場合は、どうかほんの少しの勇気を出して、周りの信頼できる人にSOSを出して下さい。
SOSを受けた周りの人は、本人との守秘義務を守り、どうしたらいいのかを冷静に話し合い、どんなサポートをしたらいいのか聞いて下さい。
判断能力があり、本人が虐待されていることを認識できている場合、通報(*)に関しては、本人の了承を得て慎重に。
本人が、虐待されていると認識できていない、または混乱状態にある場合。
知的に障害がある等で、本人が虐待されていると認識できていない場合や、精神疾患のある方などで混乱状態になってる場合のことです。
この場合、周りの方が、これは明らかに虐待だと思ったら、通報する義務(*)があります。
ご自分の判断だけで通報する自信がなかったら、誰か信頼できる人にまず相談して下さい。
今 平成29年なので、5年前の24年の10月1日に、「障害者虐待防止法」が施行されました。
この法律では、障害者に対して
1. 身の回りの世話や介助、金銭の管理などを行っている家族・親族・同居人など。
2. 障害者福祉施設などの職員。
3. 勤め先の経営者など。
が行う虐待行為を「障害者虐待」とし、障害者虐待を受けたと思われる障害者を発見した人は「速やかに、これを市町村(又は都道府県)に通報しなければならない」という義務を定めています。(*)
障害者の虐待を発見した場合の、相談、届け出、通報の窓口として、
市町村には、「市町村障害者虐待防止センター」(一覧がないので、各市町村に問い合わせて下さい)
都道府県には、「都道府県障害者権利擁護センター (PDFの一覧表を開きます)」
が設置されています。
これらの窓口には、法律が施行されて以降、虐待を受けている障害者本人からの届け出、身内や施設や職場で障害者への虐待を発見した人からの通報が年々増えているそうです。
養護者などへの支援
虐待は許されないことだけど、虐待してしまう側にも何らかの理由がある場合もあります。
身の回りの世話や金銭面での管理をしている家族、配偶者、親族。
施設従事者、勤め先の上司など。
ピアカウンセリング&コミュニケーションTomorrowでは、これらの人や、障害者本人の心のケアもさせていただいております。
行政機関に届け出、通報する前に、頭を整理することもできますので、どうぞご利用下さい。
守秘義務をお約束した上で、丁寧にお話を聴かせていただきます。
ピアカウンセリング&コミュニケーションTomorrow 前田真規より。