ここでは、主に、難病や障害のある人で就職された人、就労継続支援や作業所などで働くことが決まった人に向けて書いています。

春!新しい環境で働くことになったあなた。
よーし!自分の力を発揮するぞ!と思ってる人もいるかも知れませんが、どちらかというと不安でいっぱい、戸惑い、挙動不審になりながら新しい職場に居る人のほうが多いんじゃないでしょうか。

私にも、新入社員時代がありました。
さかのぼってみたら、恥ずかしいくらい大昔のことなので、何年前かというのは割愛させていただきます。(笑)
後でバブル時代という言葉が出てきますが、それくらい昔です。

短大を卒業した頃の私は、今よりずっとずっと障害は軽く、床にしゃがんだら自分で立ち上がれないものの、歩くことはできていました。
(指でツンと押したら、パタン!と転ぶという危うさはあったけど)

バブル(1986年~1992年に起きた好景気時代)の真っ最中だったので、多くの人にとって就活が楽で、障害のある私でも採用してもらえたのかなと思っています。

産業用ロボットを製造する会社で、配属された部署は総務部経理課。手形の発行、在庫管理のデータ入力、貸借対照表、損益計算書の帳簿合わせ、海外への書類を送るなど、色んな仕事を覚えましたが、高校で商業を学んだことが役に立ちました。

そんな、体が不自由だった私が、新入社員時代、会社で働く上で心がけていたことが5つあるので、この春 新しい職場で働く誰かの参考になったら幸いです。

1. 挨拶は基本中の基本!

挨拶は、人とのコミュニケーションで一番大切なものだと思っています。
普段の生活ではもちろん、新しい環境に身を置いたら まずは挨拶。

私も新入社員時代、心はドギマギしていても、「おはようございます!」、「お疲れ様です」、「お疲れ様でした!」と、挨拶だけはしっかりしていました。

同じ部署の人だけでなく、会社の敷地内で会う人には誰にでも。
歩き方ですぐ、足が悪いんだなと思われて覚えてもらいやすかったのかも知れないけど、だんだん知らない社員さんにも、「おはよう!」、「お疲れぃ!」と声をかけてもらえるようになりました。

2. できない事を正直に言って、協力してもらう

当時 歩けてはいたものの、一旦床にしゃがむと自分では立ち上がれなかったので、下のほうにあるファイルが取れなかったり、女子社員は順番に回ってきた「お茶汲み」ができませんでした。

一度、できるかも知れないと思って、社長室での来客にお茶を出したことがありました。
向かい合うソファーの真ん中に、低いガラステーブルがあり、腰をかがめてお茶を置こうとした時、カタカタと震えながらお茶を置いたのは良かったのですが、その後 くの字に曲がった体を起こすことができず、専務に助けてもらったことがあります。
お客様に、「どうしたの?」という顔で見られて恥ずかしかったです。

この時悟ったことは、“できない事は無理してやらず、正直に言って誰かに代わってもらう” ということ。

下のほうのファイルが取れないなら、取ろうとして時間をかけるより、誰かにお願いして取ってもらったほうが時短になります。
お茶出しも同様、無理してやって、大事なお客様の前で、転んで湯呑みを割ったり、立ち上がれなくなるくらいなら、ちゃんと理由を言って 同僚に代わってもらったほうがいいと思いました。

3. できない事を、できる事でカバーする

お茶出しや大型の給湯器を扱うことを代わってもらった分、湯呑みや灰皿を洗ったり、先輩が忙しそうにしてる時は、率先して電話に出るようにしていました。

できない事を助けてもらう代わりに、自分にできる事は「○○しましょうか?」と声をかけていました。

4. 玉拾い的な雑用でもコツコツやる

新入社員時代は、コピー取りやFAX送り、スタンプ押しなどの雑用が多く、なんだかな~とうんざりしていたのですが、そういう玉拾い的な雑用も、快くコツコツやってると、必ず見てくれてる人はいるもので、そのうちちゃんとした仕事を任せてもらえるようになります。

5. なぜ失敗したかを考えて、次に活かす!

ミスや失敗をして落ち込むだけだったら何も成長しないけど、「失敗は成功のもと」と言うように、なぜ失敗したのか、次からはどうしたらいいのかを考えることで、ミスや失敗も良い経験として次に活かすことができます。

私も、FAXを違う会社に送ってしまって、先方から「間違えてませんか?」と電話がかかってきて、「すみません、間違えました!それは破棄して下さい」と平謝りしたり、手形の金額を桁を間違えて打ってしまい、課長に見られないうちに破り捨てたり…。( ̄▽ ̄;)

どれもこれも、おっちょこちょいで確認不足が招いたミスなので、同じことを繰り返さないように、ちゃんと確認するようにしました。

 

ざっと5つ上げてみました。
慣れない職場で苦痛を感じると、「もう嫌だ。やめたい」と思う人もいるかも知れません。
体を壊したり、鬱になるほど無理する必要はないけど、何か改善できることはないか考えてみる価値はあります。

新しい居場所を見つけ、そこで人間関係を築いて仕事に慣れるまでは、結構苦しいこともあると思います。

でも、簡単に辞めてしまったら得られなかったものが、踏み留まることで得られることも多いです。

私も、3年半という短い会社勤めの中で、「自信」という大きなものを得ることができました。

今、この時期に得た知識や、社会人としてのマナー、経験、人とのコミュニケーションが、これからのあなたの人生を強く支える自信になると思って頑張って下さい。
応援しています!